稽古素材─「両肘匍匐」(りょうひじほふく)

●稽古素材「両肘匍匐」(りょうひじほふく)

「匍匐」は腹這いになって進むこと。
匍匐前進は両手両足を使って進むが、「両肘匍匐」は軽く胸前で組んだ両腕の肘を使って進む。
「組んだ両腕の肘を使って進む」と書いたのは、説明の都合上だ。実際は両肘でからだを運ぶのではなく、からだが肘を乗り越えていくようにする。

1.うつぶせで、胸前で軽く両腕を組みアゴを乗せた姿勢で寝る。
2.両肘を床に押しつけるように置き、からだ全体で肘を乗り越えるようなつもりで、からだを前に運ぶ。
3.両肘を前に出し、1の姿勢に戻して、また肘を乗り越えることで進んで行く。

※両足は伸ばしたままにして、膝は使わない。

最初、説明なしでただ前進させてみると、ほとんどの人が腕を使ってからだを前に出す。
これを板の間の上で長袖でやってみると、肘が滑ってしまいなかなか進まない。
両肘は「ただ床に置いておく」つもりで、そこをからだが乗り越えていくようにすると、肘は滑らず前進できる。
ただし、全員がすぐにとはいかない。胴体を使って肘を乗り越える、という感覚がわかり難い人もいる。
一回ごとにゆっくりと動いてみて、その感覚を得るようにする。