「骨みがきメソッド」について
2017年から、動作術の会では「骨みがきメソッド」というタイトルで、講習会を開いています。
「骨みがきメソッド」は、構造動作トレーニングの中村考宏先生が、骨の位置関係をしっかり把握するための「深部感覚トレーニング」の一環として提示した「骨を触る方法」を土台にしています。
興味を持ってこれを行なってみたところ、想像以上にわたしたちが自身の身体を把握するために必要なワークであることを実感し、以後中心的な、あるいは基礎的なメソッドとして動作術で行なっています。
【骨みがきメソッドの説明】
「動作術の骨みがきメソッド」は深部感覚に働きかけて、脳の中の身体と本当の身体のを一致させる方法のひとつです。
「深部感覚」は神経学のことばで、自分にどんな力がかかっていて、自分がどのような姿勢で、どのように動いているかを感じる力です。
深部感覚が鈍ると、脳の中の身体と本当の身体がズレてしまいます。スポーツ・武術やダンスなどでお手本の動きが上手に真似できない(見取りができない)、生活の中でよくつまずく、手足を家具などにぶつける、などは深部感覚の鈍りです。
また深部感覚が鈍ると骨を傾けて身体を支えていることがわからず、余計な筋肉や、関節の周辺に「余分なもの」を溜め込むことになります。
「骨みがき」は自分の手で骨を触り、ピカピカに磨き上げることで周囲の余分なものを流し去り、骨の存在をハッキリさせて、スッキリした姿勢と動作を取り戻すことができます。
【骨みがきメソッドの方法】
基本的には皮膚の上から触れる骨をターゲットに、磨くつもりで優しく優しくさすっていきます。摩擦軽減のためにワセリンなどのクリームを使う場合もありますが、ワセリンを使わずに行うこともできます。服の上からでもできます。
触れる骨や関節ならどこでも磨いていいのですが、ルールがあります。それは磨く前と後の違いを必ず動いて感じるようにする、ということです。
軽くなった、重くなった、細くなった、太くなった、暖かくなった、だるくなった、などどのような小さな変化でもいいので、積極的に感覚を拾ってきます。
またこれは「どんな感じがするのか」「どのような状態になったのか」という捉え方でもいいです。
これは脳からの出力に当たります。
感覚は「外部刺激の入力」「脳での統合」「脳からの出力」という「入力→統合→出力」というサイクルで定着していきます。そのために刺激を入力したら、動いてその変化を感じる(感じようとする)ことが必要になります。
【骨みがきメソッドのメインターゲット】
「触れる骨や関節ならどこでも」と書きましたが、中でも姿勢の指標となる骨がいくつかあります。まずはそこの感覚をしっかり捉えることが大事です。
●指標となる骨・関節の例
第五中足骨、第五中足骨粗面、踵骨、脛骨
膝蓋骨、大転子、坐骨結節、上前腸骨蕀
第五中手骨、橈骨・尺骨の骨頭、ヒジ関節
胸鎖関節、鎖骨、烏口突起、肩甲蕀
などなど。
| 固定リンク
「コラム」カテゴリの記事
- 中村考宏先生のブログ「治療の考え方」(2021.11.04)
- 元・一ノ矢、松田哲博著『四股鍛錬で作る達人』(2021.10.11)
- 【コラム】動作術の会◎「運動の質を高める 〜 書籍『技アリの身体になる』をテキストに」について(2021.05.14)
- 【コラム】膝の内旋(2021.04.14)
「動作術の会」カテゴリの記事
- 5/28◎朝カル新宿「一生自分の足で歩くための動作術 ── 一生歩ける歩き方を学ぶ」のお知らせ(2022.05.23)
- 5/28、6/25●朝日カルチャー新宿校「一生自分の足で歩くための動作術」(2022.05.11)
- 6月の動作術・活動予定をアップしました(2022.05.11)
- ◎2022年6月の活動予定(動作術&技アリ企画)日程(2022.05.11)
- ◎2022年5月の活動予定(動作術&技アリ企画)日程(2022.04.19)
「骨みがきメソッド」カテゴリの記事
- 【会場訂正】11/6「骨みがき・骨入力メソッド」(2019.11.06)
- 10/2、10/16「動ける姿勢のための“骨みがき・骨入力”メソッド」の前に「復習会」をします(2019.10.01)
- 9/28動作術の会「快適な動作のための“骨みがき”メソッド」のお知らせ(2019.09.27)
- 水曜日の「骨みがきメソッド」の時間変更のお知らせ(2019.01.06)
- 「動作術・骨みがきメソッド」の感想 ─ 「あるー!骨があるー‼️」(2018.06.08)
コメント