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2013年4月 4日 (木)

「離陸」「浮き」「吸い込み技法」について

2日、和真クリニックの稽古会で「崩しの原理」を、3日に「接触の技法」をテーマに稽古した。
2日は接触面に「浮き」をかけることで崩すことをしたのだが、そこから「吸い込み」の技法に発展。

「吸い込み」というのは「離陸」の発展形。

「離陸」は松聲館の甲野善紀先生の「足裏の垂直離陸」を検討して見つけた半身動作研究会の技法。「手のひらに離陸をかける」という言い方をする。
接触面のどこにでもかけられるので通称「どこでも離陸」とも言う。
「離陸」の本質は「順逆拮抗状態の維持」にある。落下しつつ持ち上げる、押しつつ引く、など逆の方向性を足や腕、手などに同居させるのである。

「浮き」は離陸の順逆拮抗の幅がわずかになった状態である、というのが半身動作研究会の考え方。強さが弱くなると言ってもいい。
だから「浮き」の感覚を養いたければ、まず「離陸」の大きく力強い動作で稽古し、離陸の感覚がわかってきたら、順逆の入力を減らしていけばいい。

「吸い込み」というのも、離陸のバリエーションで力の方向性の順逆拮抗を使う。ただこの場合、主に手のひら、足裏で「吸い込み」を行う(今のところ)。
「吸い込み」の特徴は、相手に触れた時点でその方向性が出ていると考えることである。離陸のようにわざわざ前方へ方向性を出し、同時に同じだけ引く、という操作はいらない。触れているだけなので、引くという動作をすればすぐに離れてしまう。触れている方向と逆の「方向性」のみ相手に感じさせればいいのである。そのための工夫が「吸い込み」である。

たとえば手のひらで相手に触れた場合、自分の手のひら(労宮)から肘、肩、下腹まで息を吸い込んでいく。もちろん「吸い込む感じ」なのだが、腕の中を下腹まで空気が通るチューブがあると思って息を通す。触れられている相手はその吸う方向性を感じるので、触れて来る手のひらと遠ざかる息の方向性によって、接触面に順逆拮抗状態が生じる。
このことによってどちらの方向に合わせたらいいか感覚が混乱し、触っている人間が急に頼りなくなってバランスを失ってしまう。このメカニズムは「離陸」も「浮き」も、この「吸い込み」も一緒だ。

次の段階は、手のひらと同時に、足裏(湧泉)から息を下腹に向かって吸い上げていく。同じく脚を通るチューブがあると想像し、手のひらからと足裏から腹に向かって息を吸っていくのである。
こうすると相手は、触れている私だけでなく立っている地面も頼りなくなってさらにバランスを崩すことになる。

「吸い込み」にはさらに先があって、息が通るチューブの感覚ができたら、息を通すとかの意図的な操作も止めて、ただ中がスカスカのチューブの存在のみを感じながら相手の接触する(貼り付くように接する)。するとそれだけで相手はバランスを崩す。つまりもう吸い込まないわけだ。もし息が通る感覚があったとしても、ただ空気が行き来するだけの空っぽな感じにしておけばよい。

考えてみるとこのチューブの感覚は、ただ想像すれば存在するというわけでなく、たとえば肘を鋭角に曲げたり、肩に力が入ったり、胴体を捻ったりするとチューブが潰れて息の出入りができないと感じるわけで、からだが楽に動けるポジションにするための身の規矩(みのかね=姿勢の基準)の働きをするのかもしれない。
つまりきちんとした姿勢で丁度良く触れると相手は崩れる、ということを実現するための稽古方法ともいえる。

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