ワンテーマ講習会のテーマの説明
ワンテーマ講習会のテーマごとに説明文を書こうと思いながら、さぼっていた。そのくせ、当日に講習会のお知らせを日記に書くときにテーマについてのコメントを付ける。
なぜ当日になってそういう紹介をするのか、とある人に笑われた。そりゃあ予定を告知したときにすることです(笑)。
で、いくつかのテーマについて説明をしてみた。テーマタイトルはその都度微妙に違ったりするが、代表する用語を説明することで参考になるのじゃないかと思う。
説明文はもっと簡単でもいいようにも思うが、テーマ別に記事を作っておいて、予定一覧にリンク張ればちょっとは講習会に来てくれる人が増えるかもしれない。
◎ナンバ歩き・走り
半身動作研究会の「半身動作」とは「ナンバ動作」のことです。
ナンバ動作とは「ねじらない、うねらない、ためない」という松聲館の技法を学ぶ上では必須の動きです。
●半身動作研究会の考える「歩く」
「歩くとは一歩前に立つことの連続」です。そのため稽古は「一本足で立つ=一足立ち」ことから始まります。
●左右半身感覚
「一足立ち」で左右半身の感覚を養います。
これは「左右軸」を作ることでもあります。
「左右軸」は「動作軸」とも言い、あらゆる動作の基準となります。
これに対して「中心軸」は「調整軸」とも言い、からだのポジションのコントロールをします。
●ナンバ走り
歩きのポジションから、重心を前に出してそこに足を運び、倒れながら進むのが走りです。ゆっくりでも重心を前に出せば「走り」だと半身動作研究会では考えています。
◎足裏の垂直離陸(離陸をかける)
「足裏の垂直離陸」も松聲館の基本技法です。足裏を引き上げるようにしてからだを支えます。これによってからだがひとつにまとまり、大きな力を伝えることができます。
●順逆拮抗
「足裏の垂直離陸」とは、「上げようとしている足が上がらない、でも上げようとしている状態」のことです。上がろうとすると同時に下がろうとする、という順逆拮抗状態が離陸の正体です。
それによってからだはまとまると同時に動作の方向性が中和され、力の伝達を容易にします。
●どこでも離陸
垂直離陸の構造(動きの順逆拮抗)を知れば、足裏に限らず体中に離陸をかけることができる、と考えるのが半身動作研究会の垂直離陸です。
押しているのに引いている、下りてくるのに上がっている、近づいているのに離れていく、握っているのに開いていくなど、順逆拮抗状態を作れば離陸はかかります。
●浮きをかける
離陸は順逆拮抗状態のことなので、その度合いが小さくても離陸はかかります。体感としては「ほんの少し浮かす」というものでも離陸の効果はかわりません。むしろわずかな動作の方がより大きな効果を生みます。
◎皮膚を操作(コントロール)する
相手との接触面の圧力をコントロールする稽古です。
●臨界圧力
人は一定以上の圧力で触れられると抵抗をはじめます。抵抗がはじまる圧力を「臨界圧力」といいます。武術では抵抗が起こらない接触をすることが重要です。
しかし一瞬ならともかく、臨界圧力以下で押し続けることは容易ではありません。
●相手に貼り付く
人を動かすのではなく、臨界圧力以下で相手に「貼り付く」と動きを誘導できます。その動きに乗って動くのが「皮膚を操作する」ということです。
◎井桁崩しの原理(井桁術理)
松聲館・甲野善紀先生の技の基本になっている術理のひとつ。相手を倒す方向とは別の方向に働きかけることで崩します。
●平行四辺形の原理
井桁術理の別名を「平行四辺形の原理」といいます。長方形が畳まれて平行四辺形に変形していくように動くことから、そう呼ばれています。原理を掴むためにこのイメージから稽古をはじめます。
●互い違いにずらす
井桁崩しの本質は「互い違いにずらす」ことにあります。それがわかると「平行四辺形」というイメージから離れて、自由にこの術理を使えるようになっていきます。
◎趾(あしゆび)トレーニング
足裏をどのように使うか。立つ、歩く、走る、それを支えているのが足裏です。
中でも「趾(あしゆび)」の使い方で、二本足で立つことの質が変わります。しっかり趾を鍛えれば、武道・武術、スポーツそして日常の動作も大きく変わります。
●趾トレーニングブロック
構造動作トレーニングでは「牧神の蹄」というトレーニングブロックを使います。これは木製で、趾で摘んだり上に乗ったりできます。
半身動作研究会では、ゴムと木を組み合わせた簡易版のトレーニングブロックを貸し出してトレーニングします。
簡易版は壊れるので乗ることはできませんが、指先をきちっと使う稽古は十分できます。
◎骨盤おこしトレーニング(股関節を畳む)
松聲館の術理と並び、半身動作研究会の稽古の二本柱なのが、「構造動作トレーニング理論」です。
関節トレーニングによって自然な姿勢と、重心移動による滑らかな動作を身につけるのが構造動作トレーニングです。
股関節からアプローチするのが「骨盤おこしトレーニング」です。
●股関節を畳む
骨盤おこしによって、股関節から動く方法と、股関節の力を使えるようになることが目的です。このときの股関節と骨盤の状態を「股関節を畳む」といいます。股関節を境に「上下半身」を分けることでもあります。
股関節が畳めると、武術的にも日常的にも様々な効果があります。
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