【構造動作】重心を前にかける
8月から「構造動作・股割りチャレンジセミナー」の参加者を最低「自分の骨盤立位のポジションと確認の仕方が分かっている人」に限定したのだけど、この改訂は正解だったと思う。
中村先生も基本的な説明をはぶける分、「重心を前に出す」を中心テーマに股割りまで一気に話が進んだ。
「構造動作・基礎トレーニングセミナー」の方も、「重心を前に出す」という運動との関連で語られた。重心を前に出すことで骨格が調整されるのが「骨盤おこし」運動だったことを再認識した。
もちろん「骨盤おこし」だけでなく、「胸割り」も頭、肩甲骨などのポジションも、重心をいかに前に出せるか、前にかけるかというのが構造動作トレーニングの最初に取り組むテーマなのであった。
そこで前回(第3回)の構造動作トレーニングの「股割りチャレンジセミナー」で紹介されたのが「片足立ちトレーニング」である。
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●片足立ちトレーニング
新トレーニングは「片足で立つ」。と言っても構造動作の片足立ちはひと味違う。
壁に向かって腕を伸ばした位の距離に立つ。
両手のひらを壁に付き、肘を曲げて手のひらに体重をかける。
体重を受けるのは手のひら下(空手で言うところの掌底)の小指側(指根部)。
このときしっかりと足指先から出るように膝を曲げる。
胸と頭は壁に沿って上方に伸ばすようにする。
片足を後ろに浮かせて片足立ちになる。
浮かせた足(遊脚)と同側の手を壁から離す。
つまり片足になって軸足と同じ側の手で体重を支えている姿勢となる。
十分に手のひらに重さをかけてから、壁に付いた手を離して、片足で立っていられるポジションを探す。とにかくなるべく前方に重心をかけたポジションで片足立ちすることが大事。
宙にある脚(遊脚)は軽く後ろに伸ばしてバランスをとる。
こうすると足の背屈で片足立ちをすることになる。
ここでバランスをとっていた遊脚を軸足に近づけていってみても、さほどバランス的には大差ないことがわかる。
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これは足の背屈で立つ練習。膝を十分に曲げて重心を前にかければ足首は自然に背屈することを学べる。
反対に足首を背屈できないと、前に重心を持っていけないことも学べる。
このセミナーの後、わたしの講習会でもことあるごとにこのトレーニングを紹介しているが、十分に背屈できない人は壁から手を離したときに膝が伸びて来てしまい、膝頭が足指先より中に入ってしまう。その場合は壁に手を置いたまま、手に十分体重を乗せる姿勢をキープすることで背屈を力強くすることを目指すとよさそうだ。
足首の背屈がしっかりできると、歩く、走るときの重心の移動がスムーズになる。
いわゆる「蹴らずに動く」ことができるようになる。
わたしのやっている武術の関係では、基本の「抜き足・踏み足」(ナンバ歩き)も背屈歩きである。甲野先生が「足裏を浮かすように」と説明でいうところの「足裏の垂直離陸」も、足首の背屈がしっかりできないと難しい。足首の背屈は武術の動作の基本なのである。
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