【稽古メモ】理屈より技の稽古
16日にワンテーマ講習会で「三要素同時進行」をはじめて取り上げた。
これは7月に行なった特別講座「技で振り返る松聲館の歴史」第一回で取り上げたとき、なんだか面白かったのでワンテーマでやることにしたのだった。
この日も「二力の合成」から一要素加えて「三要素」に持って行ったわけだが、説明には当然具体的な技の稽古をする。
「正面の斬り」をはじめとする井桁崩し系の技から、剣の袈裟斬りの説明(「らせん」の説明)から、体術での「座技袈裟斬り」。
これは腕の力を抜いて相手の腕に接触し、肘の重さ(下)と体の前進(前)、そして肘の開き(左右)の三要素をほぼ同時に行なって相手を崩すのだ
が、技の稽古としては三要素とか言っていられなくて、ただひたすら力を抜いて相手と接触し、あとは自然に起こる肘の落下や肘の開きを自動化するだけとなっ
ていく。
動きに以下に自分の意図を入れないかが勝負だが、それが難しく、しかし取り組み甲斐があって後半は参加者全員、夢中で「座技袈裟斬り」を行なった。
参加者は皆「すごく面白かった。またやって」というものだったが、その中に「技の稽古をしたっていう感じがした」というものがあった。
そのことばを聞いたとき、「ああ、稽古の面白さは術理を知ることではなくて、技そのものの面白さ、それを稽古する面白さなのだ」と当たり前のことを思った。
特にワンテーマ講習会は「離陸とは」「井桁崩しとは」「皮膚の操作とは」などの原理的な理解を求めてはじめたので、余計に「説明」と「理解」に片寄っていたかもしれない。
それよりもその術理を含む技を時間をかけて稽古することの方が本筋だったのだ、という稽古の原点を思い出させてもらった一日であった。
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