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2010年7月20日 (火)

【特別講座】『技で振り返る松聲館の歴史』第一回

7月11日、「特別講座『技で振り返る松聲館の歴史』第一回」が東京、築地で開催された。
これはわたしが体験してきた松聲館の技や術理などを、若き日の甲野先生の思い出とともに語り実演するというもの。定員一杯の参加者でわたし自身、予想外の面白さだった。主催の方条氏に感謝。

Imgp2468 この日は、わたしが学びはじめた松聲館の初期の術理から。
当時行っていた剣術の理合である「らせん」の話も久しぶりに話した。

物を放り上げるとその物の軌跡は上下だが、放り上げながら前進すると放物線となる。
手で円を描きながら、前進するとその軌跡がらせんとなる。
下段に構えた剣を上段まで引き上げてからの袈裟斬りは、らせんの軌跡を描くがこれも剣の「上下」の動き、半身が入れ替わる「左右」の動き、前進する「前後」の動きが合成された結果の袈裟斬りである。
これらの考察から、「二力の合成」「三要素同時進行」という術理が導かれたこと。

Imgp2465 剣術から体術への応用にあたって、皮膚と皮膚の接触についての術理が「なじみ」である。参加者は甲野先生の著書の熱心な読者も多く、関連して「溶暗技法」へと話が出て久しぶりに接触面の「フェードイン、フェードアウト」をやった。
というか、当時はよくわからなかったのだが、いまやってみるとその意味が「なるほど」と思えることが多く、「溶暗技法」もそうだ。ただどうしても現在のわたしの解釈なので、当時の甲野先生の技とは同じとはいえないだろうが。

そこで「死んだ魚が生き返る」という甲野先生のたとえを思いだし、皆で稽古。握られた腕を徹底的に力を抜き、どう触られても反応しない「死んだ腕」にする。そして死んでいると思っていた魚が突然ピチピチと跳ね上がるように、腕が上がって攻めに転じるのである。
そういえばこの復活の瞬間を「腕が閃く」とも先生は言っていたと思う。
この「閃く」は、剣が急速にその角度を変えて打ち込まれるときに「剣が閃く」というように使われた。そしてこれは「らせん」とともに剣術の二大原理である「くさび」の理でもある。

Imgp2468_3 進行の方条さんに促されて話は「水鳥の足」へ。
これは新体道の青木先生と甲野先生の出会いが関係してくるので、縮地法の話などを絡めて話す。
あっ、いま思えば『寄生獣』連載当時の月刊アフタヌーンにあった柔道(柔術?)マンガに、主人公が高下駄で階段を踏み外し一気に下まで落ちて、突如として縮地法を理解するというのがあったのをネタにすればよかった(笑)。
タイトルを思い出せないが、甲野先生の『武術を語る』を元ネタにしたマンガだったなあ。

こんな風にこの講座は、松聲館の技の歴史について、整理してみなさんに伝えるというより、わたしの稽古の思い出話を聞いてもらうという感じなので、話が過去から現在へ、技も関連したものへとあっちこっち飛んでしまう。
そこに参加者の質問が入り、そこかしこで稽古も始まってしまうという、まあ松聲館らしいといえば言える展開となって、目論見としては井桁前夜(「無拍子打ち」)ぐらいまで行くつもりだったのだが、当日の資料として配られた年表の三行しか進まないという結果となった。これにはわたしもびっくり(笑)。

進行したのはちなみに以下の項目。もちろんこれに尾ヒレがついてしまったわけだが。

1978/10/ : "なじみ""不安定の使いこなし""二力の合成"
1979/ / :  "なじみ""斬り""二力の合成""センサーとしての筋肉""結果としてのラセン"
1982/02/ :  新体道の青木宏之氏に出会う。"水鳥の足"

終了直後に現在甲野先生の講習会に出席している人から質問を受け、初期の剣術の「らせん」と「くさび」をどう体術に展開したかを、立位での「正面の斬り落とし」で違いを解説。するとこの「くさび」の感触が現在の甲野先生の技の感触とすごく近い、との感想をもらう。
(現在と言っても、「今」の精神のコントロールとか言い出す前ですが)
これらはもちろん「三要素同時」「二力の合成」「皮膚のなじみ」その他いくつかの要素も絡みあっていて、改めてやってみたら俄然おもしろくなってしまった。

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で、あんまりおもしろいので、8月のワンテーマで「三要素同時進行」を取り上げ、この「らせん」と「くさび」の稽古を紹介することにした。

★8月16日(月) 18時15分〜20時30分(18時00分受付け開始)
◎ワンテーマ講習会「『三要素同時進行』を体験する」
●会場:明石町区民館 6号室

http://hanmidosa-waza-ari.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/8-5184.html

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