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2010年3月17日 (水)

【稽古メモ】どこでも離陸と「空握」

少し前のことで恐縮だが2月13日のワンテーマ講習会「皮膚に離陸をかける」でのこと。
この日がこのテーマでの初日でもあったが、「足裏の垂直離陸」の講習会に出た人ばかりだったので、「どこでも離陸」からはじめる。

「どこでも離陸」は文字通りからだのどの部分にも離陸をかけるということだが、稽古としては相手に(握ったりさわったりして)触れている手に離陸 をかけることを行った。
「足裏の垂直離陸」との関連で、相手に触れた手を「離そうとしたらくっついていて離れない」という状態にしてのアプローチをした。
これは理屈はわかっても実際にやるとなると、離陸をかけたままの手を運ぶことが難しいようだ。

次に行ったのが昨年見つけた稽古法で、「フリをする」というもの。
これは「空握(くうあく)」と称して「稽古メモ」に書いた。
このやり方は比較的簡単に「どこでも離陸」を体験できる。
たとえば相手の腕をつかんで、その接触面に離陸をかけたいとする。まずは実際に腕をぎゅっとつかんでみる。
次に手を離し、空中でいまつかんだ腕をぎゅっとつかんでいる「フリ」をする。このとききちんと相手の腕を握っている手の形であることが大事。
こうすると手の内の握る方向と開く方向の順逆拮抗が起こる。この方向の順逆拮抗状態こそが垂直離陸の正体である。

ここから手の形も握った感触も変えないように、相手の腕にはめこむ。
このときやりがちなのが、実際の腕にはめ込んだ時に指を握ってしまうこと。こうすると離陸が解けてしまう。
空中で握った手はそのままで離陸がかかっているので、相手の腕に触ればいいだけのことである。手のひらが接すれば指は接していなくてもいいぐらい だ。
もちろん指が接していていいのだが、さらに握ったり開いたりしないで、空握時のテンションを維持することが大切である。

腕を握ったつもり、としたのは、稽古過程としてわかりやすいからで、空握の効果は何かを握ったつもりの手になれば発揮する。
たとえばリンゴをグッと握りしめているつもりの空握の手で、相手の腕に触れて動かしてもいいし、指先でからだを押しても接触部分に離陸がかかる。

この感覚に慣れてくると、フワッと持ったつもりの空握でも同等の効果が得られるようになる。
こうなると手の内をゆるく剣を構えるというのも、離陸がかかる効果があるのかもしれないと思う。

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